猫の行動圏は、猫の食事量が影響するのを知っていますか?同じ猫でも、その猫の行動圏によって、猫の食事量は大きく変化します。それらの変化は、田舎猫、都会猫、室内猫によっても大きく異なります。今回はそんな、「なぜ猫の行動圏の広さは食事の量が影響するのか?」をご紹介します。
田舎猫が行動圏を変えて、都会にやってきたらどう感じるのか?
飼い主さんから食べ物をもらわない田舎の野猫のハンティング·エリアは、約1km四方程度です。猫は中にすむ野ネズミや小鳥を食べて暮らします。猫はこの広さがあれば、飢えることがありません。ここに暮らす猫たちは、農家の納屋をホームテリトリーにすることが多く、縁の下にひそむものもいます。このような猫が街にやってきたら、最初は混乱するでしょう。そこに住みつくことができる強い個体なら、やがてはその環境に溶け込みます。でも、そういう猫を室内飼いにしようとするとチャンスさえあれば自由の身になりたがり、姿を消すことが多いようです。
食べ物がたっぷりあれば、猫の行動圏で独り占めをしようとしない
食べ物がたっぷりあれば、独り占めしようとは思わないようになります。都会の街中の野猫は、主な食べ物源として人間の残飯に頼ります。猫のご飯は飲食店から出る残飯などです。猫にとってこの残飯の量によって行動範囲がかわります。平均的にはおよそ500m四方だと考えられています。たくさんの残飯が出る猫好きの飲食店があれば、エリアはもっと小さくて100m四方となることも考えられます。しかし、たくさんの野猫が集まってくるため猫密度は高くなります。食べ物が豊富なら、独占しようとはしません。猫たちは壊れた工場の跡、放置された自動車、縁の下などをホームテリトリーにします。
猫の多頭飼いは、3〜5匹が適正頭数だと言われている
猫の多頭飼いは3から5匹が適正頭数だと言われています。猫の完全室内飼いの場合は、1匹だけだと社会性が発達しません。ところが、飼い主が与える食べ物が猫を満足させ、社会性を育む必要がないのです。家の広さや猫の居場所の作り (立体的な構造かどうか)によりますが、多頭飼いのときでも、3から5匹が共存できる適正頭数です。3から5匹とは野ネコ社会で顔をあわす数に近い数値です。猫は狭いと個体同士の接触が多いためにストレスが発生します。猫の頭数を増やすなら、猫の個性をよく見て判断する必要があります。
室内猫、都会猫、田舎猫のハンティング・エリアとは
室内猫、都会猫、田舎猫ではそれぞれハンティングエリアが異なります。ハンティングエリアによって、具体的な猫の行動圏に影響するのでそれぞれの特徴をまとめてみました。
猫のハンティングエリア①:室内猫の行動圏
室内猫は、行動圏が狭くても食事が安定供給されるので生活できます。頻繁に他の猫に会うため、ストレスを抱えやすい環境と言えます。飼い主によって猫の食事が安定供給されるため、社会性はあまり育たないです。猫の数分の食事が与えられているかが大切なポイントになります。
猫のハンティングエリア②:都会猫の行動圏
猫は狭いハンティングエリアを重複するため、社会性を要求されるようになります。猫の食べ物が豊富にあるため、猫の密度が高くなる傾向があります。猫同士の挨拶などの社会性を身につけることができます。猫のテリトリーが重なり合う空き地などが集合場所となることがあります。
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猫のハンティングエリア③:田舎猫の行動圏
田舎猫は、広い行動圏のハンティングエリアを持っています。野猫は広範囲をパトロールします。人間周辺の猫は人間から食べ物を頼り、足りない分を狩猟します。完全な野猫の場合は、山猫のような暮らしをします。田舎猫の行動圏は、1キロ四方をパトロールする傾向があります。
田舎猫の行動圏と生活とは?
快適な人家で寝床を確保できれは田舎生活は快適です。イソップの童話に「いなかのネズミとまちのネズミ」という話がありますが、猫にもこの種の暮らしの違いがあります。牧場や農場に住む猫は、野原や畑がひろがっていて自由気ままに暮らします。肉系のたんぱく質は少なくても野ねずみや小鳥を狩って補えます。田舎猫では交通事故はあまりなく、納屋に入れば安全で暖かい寝床を確保できます。猫のホームテリトリー中心の猫社会ができあがっています。田舎猫のデメリットとしては、土地が広すぎて、快適な人家が少ないことです。したがって、猫が一箇所に集中してしまうことも多いです。人家周辺で出会う猫の9割はペットです。
それ以外は野猫です。毎日時間をかけて広範囲をパトロールします。猫の気質にあうものの、ほぼ野生のヤマネコ暮らしです。野犬やカラスなどの外敵が多く、大人になるまでに試練が多いです。外部要因である環境要因の影響を受け、野猫の平均寿命は5〜7年と短めです。
都会猫の行動圏と生活とは?
都会の猫は建物群にハンティングエリアを持ち、建物と建物のあいだ、塀の上などを利用してパトロールします。飲食店の人が食事を与えることも多く、肉も食べられます。外を歩く9割は野猫です。餌場中心に猫社会が形成されます。食べ物が豊富だと多くの猫が生活でき、過密な社会になります。都会の野猫は交通事故にあったり、過密ゆえの流行病間の都合で食物不足におちいったりすることも多いです。不運な事故や病気を除けば、栄養良好で、平均寿命もおよそ10年。長生きが多いようです。
田舎猫と都会猫の行動圏や生活を比較すると
猫が野性味が強いなら田舎向きかもしれません。 猫の両方のいいところを取り入れるとよいでしょう。猫は都会と田舎、どちらが生活しやすいのかは猫の個性にも異なります。野生味が強い猫は、都会には向いていないでしょう。猫同士の挨拶も頻繁で、個体間のつきあいが濃密です。遠慮をする場面が多いのです。どこで暮らしていても、愛猫には田舎と都会両方の良さを味合わせた方がいいでしょう。
猫の行動範囲・終わりに
いかがでしたか。猫は食事量によって行動範囲が異なります。また、住む環境によっても寿命も伸びたり、縮まったりするので猫にとっては大きな問題だと言えます。家猫は食事量が安定的に供給されますし、都会の猫も食事量調達が比較的容易です。ところが、田舎猫にとっては食事量集めは死活問題にもなりかねない重要な問題です。猫のご飯は安定供給できる環境かどうかが猫の行動範囲の決めるというわけです。