キャットショーとは何か具体的にイメージできますか?猫好きな方や飼い主さんとはいえなかなか実態がよくわからないのがキャットショーではないでしょうか。キャットショーの歴史から現在の状況まで、あらゆる角度からキャットショーの世界を覗いてみましょう。今回はそんな、「キャットショーとは?キャットショーの参加方法や歴史、目的」などを中心に紹介します。
キャットショーの歴史とは?
記録にある最初のキャットショーとは、 1598年のイギリスでお祭りの一環として行われたものです。そして本格的に現在のショーへつながる形で開催されたのは, 1871年のロンドンでペルシャとブリティッシュ・ショートへアーを対象としたものでした。このキャットショーを主催したハリソンウィア氏は、猫のスタンダード(理想像)を発案し品種分けを確立した人物です。また同じ頃、アメリカのニューイングランドでも、メインクーンを対象に初めてのショーが開かれています。イギリスとアメリカでは審査スタイルや基準が違うものの、出陳(キャット所に出場すること)された猫のなかから美的面からも、健康面からも最高の猫を選ぶという点では同じだといえます。これは今でも変わっていません。ショーはほとんど各キャットショークラブの主催で行われ、クラブの拡大とともに世界中に広がりました。
キャットショーの歴史の比較:日本と欧米の違いとは?
日本では、1954年に「日本シャム猫クラブ」が設立され、2年後、東京日本橋三越デパートの屋上で催されたのが、日本で最初のキャット・ショーでした。100年以上もの歴史をもつ欧米に比べれば、まだまだ短いものです。その意味では、キャットショーのことが日本ではあまり知られていないのは自然なことなのかもしれません。現在、国内でキャットショーを開催しているクラブは、CFA (キャットファンシアーズ・アソシエーション)やTICA (インターナショナルキャットアソシエーション)など、アメリカのクラブの関係団体と、NCC (ニュー・キャッテリー・クラブ)など日本独自の団体など数十におよびます。それぞれで審査基準(スタンダード) や手順にいろいろと違いはあるものの、クラス分けした猫を審査し、最高の猫を選ぶという点は同じです。
キャットショーの目的とは?
キャット・ショーの目的は、どのクラブも同じだと言えます。クラブによってスタンダードの設定やその他違いはありますが、目的は同じことを掲げています。
- キャットショーの目的①:スタンダードに近い、美しく健康な猫を選ぶことにより、品種の向上を図る(具体的には、選ばれた猫が交配に使われ、望ましい資質を次の世代に残す)
- キャットショーの目的②:美しく健康に、そして可愛がられて 行儀よく育てられた猫。そんな”お手本心を見せることで、猫の飼育などに 関する知識を世の中に伝える。また、 猫の保護にも貢献する。
- キャットショーの目的③:愛猫家たちに、社交あるいは交流の場を提供する
キャットショーの参加するためには?
キャットショーは、猫の美人コンテストであると同時に、美しさと健康を管理してきた飼い主のコンテストという側面もあります。キャットショーは、日ごろの努力がむくわれる晴れの舞台です。子供のピアノの発表会のような緊張感があってドキドキになります。また、多くの愛猫家たちとの交流の場でもあるわけですから、情報交換をしたり、プロのアドバイスが受けられたりするメリットもあります。
キャットショーの出場の資格とは?
キャットショーというと、純血種で血統書付きのバリバリの猫しか参加できないような印象を受けますが、実は違います。というのも、参加の絶対条件というのは、健康であるというポイントが大きく占めているからです。今はほとんどのショーにHHP(ハウスホールドペット=猫)のグループが設けられています。ここに含まれるのは、いわゆる日本猫、ハーフなどの血統不明の猫、クラブによっては、そのクラブ発行の血統書を持たない血純書をもたない純血種の猫などがあります。
すなわち、HPPグループがあることで、ショーにはどんな種類の猫でも出られるようになっているのです。また、日本猫を公認種とし、他の純血種の血統付きと同等に扱うクラブもあるようです。
キャットショーの参加の手続きとは?
ショーへ参加する際には、まず主催するキャットクラブへ申し込みをします。開催ショーの情報などは、各クラブに問い合わせてください。クラブに登場している会員のところには、自動的に案内所が送られてくるのが一般的です。出場申込書に必要事項を記入し、出場料金を添えて申し込みます。クラブによって、また出場グループによっても異なりますが、相場は一万円前後です。血統書のコピーもつけると良いでしょう。
キャットショーの審査はクラス分けされている
ウスホールドペット=家庭猫のグル ープが設けられています。ここに含ま れるのは、いわゆる日本猫、ハーフな どの混血種、血統不明の猫(血統書が ない純血種の猫)、クラブによっては そのクラブ発行の血統書をもたない純 血種の猫などがあります。 つまり、HHPグループがあること で、ショーにはどんな種類の猫でも出 られるようになっているのです。また、 日本猫を公認種とし、ほかの純血種の 血統書付きと同等に扱うクラブもある ようです。 参加の手続き ショーへ参加する際には、まず主催 するキャット·クラブへ申し込みをし ます。開催ショーの情報などは、各ク ラブに問い合わせてください。クラブ に登録している会員のところへは、自 動的に案内書が送られて来るようです。
キャットショーの審査はクラス分けされる
キャットショーは、審査はクラス分けで審査の手順や方法はキャットクラブによって細部がかなり違うので、それぞれ参加したいキャットショーを調べてみてください。もっとも小さなクラス別で競争して次第に大きなクラスに勝ち上がるというのは、どこも同じです。
例えば、TICAの場合、まず4つのクラスに分けて競い合います。
- 成猫(8か月以上)
- 幼猫=キツン(4か月以上8か月未 満)
- 避妊・去勢猫=アルター(純血種の 血統書付き)
- 家庭猫(HHP)
さらに、そのグループのなかで、毛色の別、デビィジョン(部門)別、ファイナルと競い進み、優秀な猫を選ぶのです。 ただし、一般にチャンピオンの資格を競うクラス(チャンピオンシップ. クラス幼猫クラス、HHPアルターを除いたクラス)とチャンピオンの資格の対象外のクラス(ノンチャンピオンシップクラス)とに分けられていることもつけ加えておきましょう。
キャットショーの審査は、スタンダードに照らし合わせて点数をつけていきます。例えばTICAの場合、頭部30点(ポイント)、目10点、ボディ(体型) 25点、尾5点、コートカラー(毛の状態と色)20点、コンディションとバランス(健康状態と体のすべてのつりあい) 10点で合計は100点満点です。キャットショーの審査では、総合点が100点に近い猫ほど優位になるというわけです。ただしこのキャットショーの点数は、厳密に記録として残すクラブと、TICAのようにあくまでも目安とするクラブがあるようでスタンダードは各クラブによって異なるので、あるクラブで上位入賞の猫が、ほかでは下位だったりすることもあるわけです。また、スタンダードの基準は文章にかかれたものですから、同じスタンダードに基づいていても、ジャッジによってはかなり評価が違うことがあるようです。
キャットショーの審査の手順とは?
キャットショーの審査が始まると、審査台の後ろに並んだケージ(各10個)に番号札がかかります。飼い主さんの猫の番号のついたケー ジに猫を連れて行き、ほかの猫も出揃ったところでジャッジが順々に猫を出して審査します。キャットショーの審査が終わり、番号札がさげられたら(または「猫ちゃんをおさげ下さい」の声がかかったら)控えのケージに戻します。参加者のすることは、この繰り返しなのですが、リングがいくつかあることも手伝って、番号札がかかったことを見落しそうになることもあります。さらにショー会場では審 査の手順の説明など特にありません。審査の手順は各キャット・クラブによって、細部がかなり違うので、それぞれ参加するショーのものを調べてみてください。もっとも小さなクラス別で競争して、次第に大きなクラスに勝ち上がるというのはどこも同じだと言えます。
キャットショーのチャンピオンになるためには?
キャットショーでは審査が進み、もちろんファイナルで 最優秀の猫が選ばれるのですが、1位の猫をチャンピオンとは呼びません。キャットショーの業界を知らない人にとってはなぜなのですが普通の呼び方は「ベスト・オブ・キャット」(ベストあるいはベストキャット)です。
しかし、確かにチャンピオンとかグランドチャンピオンって、聞いたことがあるし、広告でも見たことがあるのになぜなのかとう疑問を持つ方もいることでしょう。実はチャンピオンのタイトル(肩書きは、ショーの順位によって獲得するポイントに基づいて、登録申請するものなのです。(有料、だいたい1万円ほど)。
このポイント制もまた、各クラブでかなり異なっていますが、TICAの場合、1位にならなくても合計ポイントが150点以上に達すれば、チャンピオンの肩書きが申請できます(もちろんポイントはためておくことができます)。すなわち、多少制約はあるもの の、ショーに出続けていれば、そこそこの成績の猫なら肩書きを狙えるということになります。
FCCなどの場合は、カラー別で4位以下の猫でも1ポイントが与えられ、7ポイントでチャンピオンの肩書きが申請できます。どんなに成績の振るわない猫でも、7回ショーに出ればチャ ンピオンになれるのです。いってみれ ば、チャンピオンとは「難しい資格」のような肩書きと考えることもできます。ほかのクラブでも、どちらかというと、なるべく多くの猫に肩書きをあげたり、 賞をつけてあげたりという配慮があるようです。
終わりに
いかがでしたか。キャットショーに関してあまり知られていない部分が多いので、「今回はキャットショーとは何か」「キャットショーの参加の仕方」などをまとめてみました。もし機会があればぜひチャンピオンを目指してみるのはいかがでしょうか。