愛犬がいつまで走っても疲れないなあと感じたことってありませんか。この犬の全速力の意味について疑問に思ったことはありませんか。これは犬の先祖であるオオカミが、もともと大変な距離を走る能力を引き継いでいるからなのです。その名残で、現代の犬においても、犬は全力疾走や走るのが好きなのです。今回は「犬が全力疾走や走るのが好きなのはなぜなのか?」について詳しくご紹介したいと思います。
犬は狩りをしていた経験から優れた運動能力を持っている
犬と一緒に走ったり遊んだりしていると、その足の速さやスタミナにおどろかされますよね。犬種によって多少違いがありますが、犬はだいたい走るのが大好きだと思います。ドッグランに行けば、延々と追いかけっこをして遊んでいますし、ボールを投げてあげれば何度でも全速力で取りに行きます。これは犬が特殊能力な理由を持っています。
犬があれほど速く、長く走ることができる理由とは
犬が早い速度で、長く走るのは狼の狩猟スタイルに関係しています。犬の先祖であるオオカミは、群れを作り、獲物が力尽きるまでどこまでも追いかけ、獲物が力尽きたところで襲うという狩りをします。必死に逃げる獲物を追跡するため、長距離を一定以上の速度で走る必要があります。
そのため、大きな肺や心臓、無駄な動きをせず疲れにくい関節など、長く走り続けるのに適した体の構造を犬は持っているのです。また、犬は獲物を探したり捕まえたりする広い行動圏を持っています。犬の一日の運動量も膨大です。例えば、犬は一晩に400kmもの距離を移動するといったケースもあったそうです。
オオカミの行動圏は犬にも引き継がれている!?
散歩中の犬のおしっこは行動圏を示している!?
犬の散歩中、ほとんどのオスは頻繁に片足を上げて電柱や木の根元におしっこをかけます。これは単なる生理現象ではありません。犬の行動圏がこの辺りだということを示す「マーキング」という行動です。犬のルーツであるオオカミが持っている習性です。このマーキングを頻繁にする犬ほど、縄張り意識が強いといわれています。マーキングはメスでもすることがあります。
犬の広大な行動圏と小さな縄張りとは
犬の先祖であるオオカミは、獲物を求めてかなり広い範囲にわたって行動していました。オオカミはひとつの群れがおおよそ100〜1000㎢もの広大な行動圏を持ちます。オオカミは、その中で狩りをしたり散歩をしたりして過ごします。それぞれの群れの行動圏は互いに重なり合っています。一方、行動圏の中の巣穴とその周辺の狭い範囲が「縄張り」と呼ばれるものです。同じ群れの仲間に入ることを許されていますが、ほかの群れのオオカミやほかの動物が進入しようとすると、必死で追い出します。オオカミにとって縄張りは、絶対に侵されたくない聖域なのです。このようなオオカミ時代の名残は現代の犬にも大小ありますが残っています。
犬にとって家の中は侵されたくない縄張り
この行動パターンを現代の家庭犬に当てはめると、マンション暮らしの場合はマンションの部屋全体が、一戸建ての家なら塀の内側すべてが、その犬の「縄張り」で、いつもの散歩コースが「行動圏」に当たります。そこで犬たちは、行動圏である散歩コースではおしっこを残し存在をアピールします。一方、家の中では来客に対して警戒心を抱き、うなったりして追い返そうとするのです。
犬が全力疾走したいと思う理由や意味とは
飼いならされた家庭犬たちが、オオカミと同じような運動能力を持っていることはありませんが、犬によって程度の差こそあれ、それに近い体の構造と本能を受け継いでいることは確かです。そんな犬にとって、ただゆっくりと歩き回るだけの散歩は物たりないものだと感じるはずです。これが犬が全力疾走したいと思う理由や意味なのです。
小型犬ならジョギングで一緒に走ってみたり、大型犬ならロングリードを使ってボールを取ってこさせる遊びを取り入れたりして、思いきり走れる環境を作ってあげると喜ぶので、そのような環境を与えてくださいね。
犬が長距離を走れる理由のまとめ
犬は理想的な内臓と骨格を持っているため、長距離も無理なく走れます。今回は犬の体の構造的な理由をご紹介したいとも思います。
犬は長距離走に走れる理由①:犬の背骨
犬は長時間走れるようしっかり体を支えることができます。長い距離を走れるよう、猫のように柔らかい背骨ではなく、あ
る程度硬い背骨を持っています。
犬は長距離走に走れる理由②:犬の心臓
犬は体に対して心臓が大きく心室が発達しています。犬は長距離を速く走り続けられるよう、一度にたくさんの血液を送
り出せる構造になっています。
犬は長距離走に走れる理由③:犬の胸部
犬の胸部は、肺が大きく深い胸をしています。大量の酸素を取り入れられるよう肺が大きいです。犬の俊足で知られるグレー
ハウンドなどは、とくにその傾向があります。
犬は長距離走に走れる理由④:犬の関節
犬の関節は接合部が深く、余計な方向に動かしません。犬の前後運動に強く左右に開かない。長く走るときは、犬は左右に動かないほうが疲れにくいといえます。
終わりに
いかがでしたか。犬は長距離走にぴったりの内臓と骨格を持っています。ですから、人間から見るといくら走っていても疲れないのです。また、犬のこの肉体的な強さは野生時代の先祖であるオオカミから少なからず引き継がれています。ですから、人間と一緒に走り回ってもあまり疲れないと思います。飼い主さんは犬の特殊能力に対して理解した上で、一緒にいればいつもより疲れることは減るかと思います!