猫が毛づくろいする理由を疑問に思ったことはありませんか。猫が毛づくろいをするのは単に見た目をよくするためにするわけだけではありません。猫にとって毛づくろいは、猫の健康状態を表します。今回は、「猫はなぜ毛づくろいをするのか?ネコは高齢になると毛づくろいしなくなるのか!?」をご紹介したいと思います。
猫の毛づくろいとは
猫の毛づくろいは、健康のバローメーターです。残念な見た目の猫は、猫自身が毛づくろいで見た目を整えていないことが考えられます。猫のザラザラした舌はブラシの役割を果たしています。抜け毛や体についたゴミを取り除いて、被毛の機能を果たしています。抜け毛や体のついたゴミを取り除いて、被毛の機能を保つのです。また、毛づくろいには、獲物を察知されないように匂いを消す役割や狩りに向けて全身の感覚を研ぎ澄ませておきたいという意味もあります。他にも気持ちを落ち着かせたり、マッサージ効果もあります。
精神的な病気、あるいは肉体的な病気の場合も、痛みを伴う領域をネコは舐めることがあります。猫にとって毛づくろいはとても大切な行為と言えます。猫の毛づくろいは体を綺麗にすることももちろんですが、他にも幾つか理由があるのでご紹介します。
猫が毛づくろいをする理由①:毛を整えることで全身をセンサー並みに敏感にする
猫にとって毛づくろいは大変重要なことです。なぜなら、最大の目的は「からだの掃除」です。ただきれいにするだけではありません。猫は毛並みを整えることで体表を鋭敏にし、少しでも何かが触れると察知できるのです。「ノミ」の感染予防ができるのもその一つです。これは猫本来の獲物への忍び寄りを得意とするハンターならではの習性でもあります。
猫の毛づくろいする理由:②防寒作用
猫の毛づくろいは、それ以外にもいくつかの大事な役割があります。まず「防寒」です。猫は毛皮をくりかえしなめることでフワフワにし、空気を含ませ断熱効果を高めます。
猫の毛づくろいする理由:③冷却作用
逆の目的「冷却」です。猫は自分自身を冷やすために汗をかくことはできません。なぜなら、猫の体には汗腺がほとんどないからです。猫は夏などは唾液をつけて毛づくろいをします。猫は熱で唾液が蒸発し、体を冷やすことができます。
猫の毛づくろいする理由:④ビタミンDを取っている
猫は毛皮に日光が当たってできる「ビタミンD」をなめてとることができます。猫は普段の食事ではとれない必須栄養素をとっているのです。
飼い主によるブラッシングは猫の健康をチェックできる!?
猫はきれい好きで、自分で毛づくろいを行いますが、それだけではやはり不十分です。猫が届かない場所は、飼い主がブラッシングをしてあげる必要があります。猫のブラッシングは飼い主と猫のスキンシップ の時間であるとともに、皮膚の状態、病気やケガの有無など健康チェックの時間でもあります。また代謝を促すなどの効果も得られるので、健康のためにも猫に合ったお手入れ方法をマスターしましょう。
猫のブラッシング・体調チェック方法①:猫の毛の感触
猫の毛の感触は湿って毛束になったりつやがなくカサカサしているのは全身の状態がよくない可能性があります。
猫のブラッシング・体調チェック方法②:猫の皮膚の異常や脱毛箇所
猫が皮膚炎やストレスあどが原因となる過剰な毛づくろいで、毛が抜けたり切れたりしている可能性があります。
猫のブラッシング・体調チェック方法③:猫のはれやしこりの確認
内臓の病気やがん、消耗性疾患などの疑いがあります。その場合は、猫を揉まないようにして動物病院に連れ行くと良いでしょう。
猫のブラッシング・体調チェック方法④:猫の皮膚がザラザラやぼこぼこしている
皮膚炎の可能性があります。赤くなっている場所などないかチェックすると良いでしょう。
猫のブラッシング・体調チェック方法⑤:ネコの体が熱い
猫を体温計でチェックして熱を計りましょう。発熱している可能性があります。
猫のブラッシング・体調チェック方法⑥:ネコお腹がふくれる
猫の胃や腸にガスが溜まっていたり、腹水や便秘の可能性が考えられます。食欲や排便、排尿の状態を動物病院で説明できるようにすると良いでしょう。
猫のブラッシング・体調チェック方法⑦:ネコが触ると嫌がったり鳴く場合
猫が触ると嫌がる場合は、猫の痛みの原因が隠れていることがあります。あまり飼い主さんはむやみに触らず、触りすぎないようにすると良いでしょう。
猫のハンドグルーミングの方法とは
手に水やミストスプレーをつけて、猫の体を撫でるだけです。これでも十分に毛が取れます。ブラッシング初心者はここからスタートしてください。猫はブラッシングが苦手な生き物です。短毛猫の場合は、ミストスプレーが有効です。
猫のハンドグルーミングのやり方①:スプレーをする
飼い主さんは、ミストスプレーを2から3回手につけます。
猫のハンドグルーミングのやり方②:背中からなでる
猫が気持ちいいと感じやすい背中からなでていきます。あまり力を入れず、優しく撫でてあげましょう。
猫のハンドグルーミングのやり方③:猫の顔周りを撫でる
猫の顔わまりを撫でましょう。顎を片方の手で支えて頭の後ろからなでていきます。
猫のグルーミングの方法とは
短毛種と長毛種ではブラシの種類、ブラッシングの方法は異なります。とりわけ、長毛種はこまめな手入れが必要です。基本をよく覚えておくと良いでしょう。短毛種の場合は、ブラシを使うと皮膚を傷つけてしまう可能性があります。柔らかいラバーブラシを使うのがおすすめです。
猫のグルーミングのやり方①:ネコをブラシに慣らす
成猫になってから慣らす場合は、好きな食べ物を与えて、食べている間にそっとブラッシングをしていくと慣れていきます。
猫のグルーミングのやり方②:スキンシップをとる
ブラッシングの前に、背中などを触ってスキンシップをとります。猫が気持ちよくなるのを待つようにしてください。
猫のグルーミングのやり方③:背中をブラッシングする
リラックスしたところで、ラバーブラシを使い、毛並みと体のラインに沿ってブラッシングをします。
猫のグルーミングのやり方④:おしりは力を弱めてやる
触らせるのが苦手なお尻は力を入れずに優しくしてください。猫の好きなおやつを少しずつ与えながら与えるのも有効です。
猫のグルーミングのやり方⑤:猫のお腹も毛並みに沿って
猫が抵抗せずお腹をみせたら、毛並みに沿ってブラッシングします。途中で嫌がったらその時点で諦めてください。
猫の毛づくろいは高齢になると変化する!?
猫の毛づくろいには普通は順序があります。猫はまず口のまわりや顔から始め、片方の前足の親指の爪のあたりをなめて濡らします。その後、猫は頭や耳、そして耳の後ろをこすります。それから前足や肩をなめ、頭をおなかのほうへグッとまげて、おなかや生殖器のあたりをなめます。次に、からだをひねって腰や後ろ足の付け根のあたりへ足を伸ばしてしっかりとなめます。歯で毛を噛んでしごくこともあります。
猫は後ろ足の爪が古くなっていると、歯で古い爪をはがします(後ろ足では爪とぎはしないから)。最後に腰やしっぽの付け根から先端までなめてきれいにします。
これらの一連の流れは、本能的な行動です。高齢になるとここまで丁寧にはやらなくなりますが、それでも欠かしません。もし、猫が1日のうちに一度も毛づくろいをしなくなったら、念のため体調が悪くないか見てあげてください。
猫の毛づくろの流れ
猫の舌はトゲ上になっています。猫は舌と足を使って全身の皮毛を作ろうとします。猫の毛づくろいは、一日数回、順番を守る猫もいます。猫の毛づくろいは、口や顔から始め、前足の親指の爪のあたりを舐めて濡らし、頭や耳、耳の後ろをこすります。その次に、前足、肩、お腹、生殖器、最後に腰や後ろ足の付け根のあたりへと動きます。
ネコの舌が届かないポイントは飼い主になでてもらってうれしいポイントでもあります。高齢になったら特にやさしくなでたりすると猫は喜びます。
猫が毛づくろいを怠け始めたら不調のサイン
高齢猫は毛づくろいがしなくなったり、毛づくろいの回数が顕著に減ることがあります。猫はブラッシングを欠かさずにします。毛づくろいをせずじっとしているようなら体調不調が隠れていることが多いです。
猫の毛づくろいのまとめ
いかがでしたか。猫にとって毛づくろいは単に体を綺麗にする行為ではなく、健康管理においても大きな意味を持ちます。もし愛猫が毛づくろいを1日に一度もしていなければかかりつけの動物病院の獣医師の先生に相談することをおすすめします。