2025年注目のペットフード展示会を徹底解説!市場トレンドから最新技術まで見逃せない理由とは?

by csptl
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はじめに:拡大するペット市場と展示会の重要性

ペットは今や「家族の一員」として位置づけられ、その存在は私たちの生活に深く根付いています。特に近年は、ペットの健康や幸福を最優先する飼い主が増え、ペットフードに対する意識が大きく変わってきました。ただの「餌」ではなく、「栄養バランスのとれた食事」「アレルギー対応の専門食」「ライフステージに応じた機能性食品」など、ペットフードの高付加価値化が進んでいます。

このような背景の中で、ペットフード業界における展示会の存在感は年々増しており、2025年も数多くの国内外展示会が開催される予定です。この記事では、2025年に注目すべきペットフード関連の展示会情報を軸に、市場動向や業界トレンドをわかりやすく解説していきます。


①市場動向と展示会の意義

世界と日本のペットフード市場:拡大する需要と高まる専門性

世界市場の成長傾向

世界全体で見ても、ペットフード市場は年平均成長率(CAGR)5〜6%で拡大しています。アメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国などの先進国に加え、中国や東南アジア諸国の中間層の増加も市場拡大を後押ししています。
特に北米では、「ヒューマングレード(人が食べられる品質)」のペットフードやサステナブルな原材料を使った製品が主流になりつつあり、健康志向・エシカル消費が大きなキーワードとなっています。

日本市場の特徴と変化

一方、日本では高齢化社会がペットにも反映されており、シニア犬・猫向けの機能性フードが注目を集めています。また、単身世帯の増加により、小型犬や猫の飼育数が増えたことも、室内飼育向けの食事設計や消臭機能付きフードの需要を高める要因になっています。

特に注目したいのは、「無添加」「グルテンフリー」「国産原材料」「ミシュランシェフ監修」などのプレミアムブランドの伸び率です。消費者の「安心・安全」に対する関心の高まりに応える形で、多くのブランドが高品質路線にシフトしています。


なぜ今、ペットフード展示会が重要なのか?

1. 消費者ニーズと技術革新のスピードに対応

ペットフードのトレンドは、年々移り変わっています。たとえば2023年ごろから注目されている「昆虫タンパク質」や「植物ベースの代替プロテイン」は、数年前には考えられなかったジャンルです。これらの情報をリアルタイムでキャッチし、競合との差別化を図るためにも展示会の現場は極めて重要です。

2. 商談・販路開拓の場としての価値

展示会は、新製品発表の場であると同時に、バイヤーや小売店とのマッチングの場でもあります。OEM・ODMを希望するスタートアップや、海外進出を狙う中小企業にとっては、限られたコストで大きな販路開拓のチャンスとなるのです。

3. D2C・EC時代におけるリアル接点の強化

オンライン販売の比率が増えているとはいえ、「実際に食材に触れて試食できる」「製造者と直接話せる」というリアル展示会の価値は変わっていません。D2Cブランドであっても、展示会を活用してブランドストーリーを伝えるリアルな場を持つことで、ファンとの絆を強めることができます。


2025年、注目すべき展示会トピック

2025年の展示会では、以下のようなテーマが各イベントで軸になると予想されます:

  • サステナブル原材料(昆虫食、海藻、代替タンパク)

  • 腸内フローラ改善、プロバイオティクス機能

  • 嗜好性の高いレトルトタイプ・冷凍ペットフード

  • ペットテックとの融合(健康モニタリング、AIフード提案)

  • SDGsを意識したエシカルパッケージ

こうしたトピックを押さえたうえで、各展示会を回ることで、情報収集や商品企画に非常に役立ちます。


展示会に行くべきなのはどんな人?

ペットフード展示会に参加するべき対象は、以下のように多岐にわたります:

  • ペットフードメーカー・ブランド担当者

  • ペットショップやトリミングサロンのバイヤー

  • OEM先を探す事業者

  • D2Cブランドを展開するスタートアップ

  • ペット向けITソリューション提供企業

  • 動物病院・栄養士・研究者

また、一般のペットオーナー向けの開放日があるイベントも多く、BtoBとBtoCをつなぐハイブリッド型展示会も今後増えていくと予想されます。

②:2025年注目のペットフード展示会一覧と詳細

2025年はペットフード業界にとって、トレンドの転換点とも言える一年になると予測されており、国内外で多数のペットフード関連展示会が開催予定です。この章では、注目度の高い展示会を国内と海外に分けて紹介し、各イベントの概要、特徴、注目ポイントなどを詳しく解説します。


【国内展示会】

1. インターペット東京 2025(Interpets Tokyo 2025)

  • 開催期間:2025年4月3日(木)〜6日(日)

  • 会場:東京ビッグサイト

  • 主催:メッセフランクフルト ジャパン株式会社

  • 来場者数(予想):50,000人以上

  • 出展社数:約500社

展示内容

  • プレミアムペットフード、新規ブランドの出展多数

  • 無添加、グルテンフリー、ヴィーガンフード、オーガニック原材料などが中心

  • 食事管理アプリやペット用IoT機器との連携製品も多い

見どころ

  • ヒューマングレードのフードが一堂に会する国内最大規模

  • 試食コーナーやデモ調理ブースが充実

  • ペットオーナーとの直接対話が可能(BtoC向け日程あり)

参加メリット

  • 新商品開発のヒントが得られる

  • 市場ニーズのリアルな反応を収集可能

  • 国内バイヤー・サロンオーナーとの商談機会も多数


2. FOODEX JAPAN 2025(ペットフード部門)

  • 開催期間:2025年3月4日(火)〜7日(金)

  • 会場:東京ビッグサイト

  • 主催:日本能率協会など

  • 業界特化:フード全般の総合展示会の中でペットフードが注目エリアに

展示内容

  • 海外ブランドの日本初出展多数

  • 機能性成分配合・薬膳・漢方などを組み合わせた新製品に注目

  • 飼い主との“共食”を意識したラインナップも登場

見どころ

  • 食品業界とのコラボで異業種の発想を学べる

  • 大手商社との取引可能性あり

  • OEM/ODMのパートナー探しに有利


3. わんにゃんドーム 2025(名古屋)

  • 開催期間:2025年2月15日(土)〜16日(日)

  • 会場:バンテリンドーム ナゴヤ

  • 来場者層:BtoC中心(飼い主との直接接点)

展示内容

  • ペット用食品・おやつ・スイーツの試食販売が充実

  • 地元企業によるオリジナルブランドの出展も多い

  • 話題の“ペットグルメ”のトレンドが確認できる

見どころ

  • 飼い主の購買行動のリアルな声を聞ける

  • ECサイト展開企業にとってブランディングの好機


その他注目イベント(簡略紹介)

イベント名 開催月 主な特徴
ペット博 2025(全国巡回) 5月~10月 BtoC向け。小規模ながら地域密着型プロモに最適
アグリフードEXPO東京(ペット食品部門) 8月 国産原材料や地域特産品とのコラボ製品が強み
CareTEX東京(介護×ペット共生) 3月 高齢者とペットの共生に特化。シニア向けフード提案に有利

【海外展示会】

1. Interzoo 2025(ドイツ・ニュルンベルク)

  • 開催期間:2025年5月20日〜23日

  • 開催地:ニュルンベルクメッセ(NürnbergMesse)

  • 出展社数:1,800社以上(世界最大規模)

展示内容

  • 全世界から最先端のペットフードが集結

  • サステナブル、グルテンフリー、スーパーフード配合が主流

  • ライフステージ別、品種別、アレルゲン対応フードがトレンド

見どころ

  • 世界中のバイヤー・ディストリビューターと接点を持てる

  • 世界各国の規制・原材料トレンドを把握できる

  • 日本ブランドも多数参加予定


2. Global Pet Expo 2025(アメリカ・フロリダ)

  • 開催期間:2025年3月26日〜28日

  • 開催地:オーランド(オレンジカウンティ コンベンションセンター)

  • 主催:American Pet Products Association (APPA)

展示内容

  • 最新の北米フードトレンドがわかる(CBD配合、AIレコメンド型フード)

  • 機能性・獣医学ベースのプレミアムブランド多数

  • D2C企業向けのマーケティングソリューションも併設展示

見どころ

  • 北米マーケット進出を検討している企業に最適

  • AmazonやChewyなどECバイヤーが多数来場


3. Pet Fair Asia 2025(中国・上海)

  • 開催期間:2025年8月21日〜25日

  • 開催地:Shanghai New International Expo Centre

  • 中国市場の玄関口として注目

展示内容

  • 中国国内・アジア諸国の成長著しいプレミアムブランドが集結

  • AI搭載のフードディスペンサーやパーソナライズフードが主力

  • 中国語対応のパッケージ戦略やOEM企業とのマッチングも進む

見どころ

  • アジア市場進出を狙う企業にとって最大の商談チャンス

  • 越境ECの最新事例なども紹介予定


展示会に向けた準備のポイント

項目 内容
①事前登録 多くの展示会でオンライン事前申請が必要(無料または割引)
②出展者リストの確認 気になる企業やブランドを事前にチェックしておく
③名刺・資料の準備 英語版資料が必要な展示会も多い
④試食や実演のスケジュール確認 人気のブースは混雑するため事前に予定を立てるのが有効
⑤SNSでの発信 展示会会場からの発信はファンづくり・ブランド訴求に有効

展示会活用の戦略的視点

「行くだけ」ではもったいない!展示会をビジネスにつなげるコツ

  • 情報収集→製品開発のインサイトに活かす

  • 展示会で得た接点を即時CRMに登録・フォローアップ

  • 競合商品の価格帯・デザイン・機能性を現場で調査

  • 自社ブース出展時にはSNS活用・ライブ配信もおすすめ


③:展示会を活用したビジネス戦略・成功事例・今後のトレンド

展示会から生まれるビジネスチャンスとは?

ペットフード展示会は、単なる情報収集の場ではなく、明確な戦略をもって参加することでビジネスを拡大する強力な武器となります。ここでは、実際に成果をあげた企業の事例や、活用方法、今後のトレンドとともに、展示会を最大限に活かすポイントを解説します。


成功事例①:試食イベントで顧客の“声”を獲得しD2C売上が3倍に

事例企業:無添加ペットフードの国産ブランド(中小規模)

この企業は、2024年の「インターペット東京」に初出展。
出展当初はブランディング目的が中心でしたが、会場で犬・猫の嗜好性を可視化する試食イベントを開催。飼い主のアンケートと合わせてフィードバックを収集しました。

これにより、「人気の味」「粒サイズ」「香りの強さ」など、想定外のニーズを把握し、商品をリニューアル。半年後、D2Cサイトでの売上は3倍に増加しました。

ポイント

  • 展示会は“調査の場”として活用可能

  • その場での定性データ(飼い主の表情・コメント)に価値がある

  • 顧客目線の商品改善が差別化に直結する


成功事例②:海外展示会でパートナー獲得 → 越境EC展開に成功

事例企業:機能性プレミアムフードメーカー(日本企業)

この企業は2023年に「Pet Fair Asia(上海)」に出展。中国語対応のパッケージと、SNS用動画を事前に用意したうえで臨みました。

現地ディストリビューターと良好な関係を築き、WeChatミニプログラム経由での越境EC展開をスタート。展示会後3ヶ月で月商100万円を達成し、現在も中国市場でシェアを伸ばし続けています。

ポイント

  • 言語・文化対応の準備が成果を左右する

  • 展示会=“営業の起点”。出展後のクロージングが重要

  • 越境ECの起点に展示会が使える


成功事例③:OEMパートナーとのマッチングから新商品開発へ

事例企業:地方の水産加工業者(新規参入)

地域資源を活用したペットフード開発を検討していた地方の企業が、「FOODEX JAPAN」内のペットフードゾーンに参加。
展示会では、動物栄養士・レシピ開発企業・パッケージデザイナーなどと出会い、産学官連携でのブランド化に成功

その後、道の駅・オンラインショップを通じて販売を拡大し、「ふるさと納税返礼品」としての展開にもつながりました。

ポイント

  • 異業種参入における初期マッチングとして最適

  • 展示会が“プロジェクト構想”の起点となる

  • 地方発ブランドの価値訴求が可能になる


展示会を活かすための戦略フレームワーク

展示会で成果を得るためには、次のようなステップに沿って準備・実行することが効果的です。

STEP1:目的設定

目的タイプ 具体例
商品開発 顧客の声を収集、試食で嗜好性テスト
販路開拓 バイヤー商談、海外販路探索
ブランディング ブランドストーリーの発信、SNS連動
共同開発 OEM/OEMパートナー探し、提携先探索

STEP2:準備と設計

  • 試食用製品・資料の準備(言語対応含む)

  • QRコード付き名刺・チラシの作成

  • SNS発信用の写真・動画素材の撮影

  • スタッフ教育(接客トークスクリプトの作成)

STEP3:当日の運用

  • 来場者の名刺管理と即時メモ(興味関心)

  • SNSリアル投稿(InstagramライブやX連携)

  • 来場者の属性分析(性別、年代、ニーズ)

STEP4:アフターフォロー

  • 展示会翌日から3日以内にサンクスメール

  • 商談につながるリードの優先対応

  • SNS投稿のまとめ・レポート化


今後のトレンド①:AI×ペットフード

AIによる嗜好性分析、健康状態に応じたフード推薦など、展示会でもAI活用型ソリューションの展示が増加中。将来的には、ペット用スマートディスペンサーとの連携によって、最適な栄養バランスを自動調整する製品の登場も見込まれます。

また、ChatGPTのようなAIを搭載した接客チャットボットを展示会に導入する企業も増えており、ブース運営の効率化・データ収集の強化につながっています。


今後のトレンド②:サステナブル・代替タンパクの加速

脱炭素・フードロス削減の観点から、「昆虫プロテイン」「培養肉」「海藻タンパク」など、次世代タンパク質を使ったペットフードの展示が活発です。特にミレニアル世代・Z世代の飼い主層からの支持が厚く、サステナビリティの観点は今後ますます重要となるでしょう。


今後のトレンド③:D2C・コミュニティ活用型ブース展開

2025年以降は、従来の「企業→顧客」構造に加え、ファン参加型の展示スタイルが注目されています。
たとえば、SNSで集めたペット写真を展示したり、ファンがブース内でライブ配信を行う「共創型展示会」の形が登場しています。
単なる“発信”から“共体験”へ。展示会がオンラインコミュニティと融合する未来がすぐそこにあります。


おわりに:展示会は情報発信ではなく“価値共創”の場へ

2025年のペットフード展示会は、従来のように“商品を見せる”だけの場所ではなく、顧客と価値を共創し、ストーリーを伝える場へと変化しています。

消費者の志向は「安心・安全」から「共感・共鳴」へ。ブランドは商品だけでなく、「なぜ作っているのか」「どんな未来を見ているのか」といったビジョンや思想も問われる時代に入っています。

ペットフード展示会は、その思想をかたちにし、消費者・パートナーと出会う最前線です。単なる出展者で終わるのではなく、業界の価値創造をリードする存在として展示会に挑むことが、これからの企業に求められる姿勢なのです。

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